AIを活用することで 高鮮度のコンテンツ制作が容易に。デジタルサイネージ×FrascoAI
2024.12.25 | ブランディング, マーケティング, 広告・集客
このページでは、サイネージ業界の専門誌『月刊 Signs & Displays』2024年11月号に掲載された記事をHTML形式でそのままご紹介しています。紙面でお読みいただけなかった方も、ぜひこちらから記事の内容をご覧ください。
SIGNESS×FrascoAI
ソフトウェア開発企業であるとともに、サムスン電子社製サイネージディスプレイの販売代理店を担う(株)ACCESS。
同社ではコンテンツの入稿・配信システム「SIGNESS®(サイネス)」を提供しており、そのワークフローは6つのステップで完了する。
SIGNESSは、コンテンツ制作から入稿・配信、ユーザー管理まで、すべての機能をブラウザ上から利用できるクラウド型コンテンツオーサリングツール。
急を要する情報配信なども外出先のPCなどから対応できる。
コンテンツオーサリングツールは、①素材をUP、②コンテンツ作成、③プレイリスト作成、④スケジュール作成、⑤ディスプレイ設定、⑥配信登録というように、制作から配信まで直感的に操作できるようにデザインされている。
タッチパネルディスプレイのタッチやスワイプでコンテンツを操作できるインタラクティブコンテンツの作成も可能で、例えば階数のボタンがタップされると、その階のフロアガイドに切り替わるようなコンテンツも、プログラミングなしで簡単に作成可能だ。
ACCESSでは昨今、このSIGNESSにAIを組み合わせたデジタルサイネージ(以下、サイネージ)の提案を進めている。
同社はユーザーの持つデータを用いて手軽に生成AIを試すことができる「FrascoAI™(フラスコエーアイ)」を開発、今年5月より提供を開始した。FrascoAIは、様々な生成AI技術と自社データを掛け合わせて、業務効率化や新サービス構築を実現するシステムを最短1日で構築し利用可能とするプラットフォームだ。
チャットAI機能や3Dアバター機能、管理画面などが一括で提供されるので、企業の担当者は個々に複雑な契約やシステム構築に時間を要することなく、導入と同時に利用を開始できる。
また、蓄積された自社サービスデータやIoTデータなど、社内外における暗黙知の情報を管理画面から予めインプットして生成AIに学習させれば、ユーザー
はPCやスマートフォンからチャット形式で質問するだけで生成AIにより自動生成された回答を得られる。AIに学習させるためのデータは、Word、Excel、PDF、テキストファイルなど既存のデータソースをそのまま利用可能だ。
AIが自動で翻訳するので
低コストで多言語対応に
SIGNESS上でFrascoAIを活用した3Dアバターを表示することで、例えば商業施設の店舗案内を3Dアバターが対応することも可能だ。
さらに顔認識機能を付加し、サイネージの前に人が立った際に、3Dアバターの方から話しかけるといった設定もできる。
これにより、サイネージに話しかけるのは恥ずかしいという人のハードルが少し下がるのでは。
また、顔認識機能を利用することにより、性別や年齢などセグメントを解析し、サイネージを見た人に合わせたコンテンツを表示するなど、ユーザーの用途に合わせたカスタマイズが可能だという。
今年7月に開催された「デジタルサイネージ ジャパン2024」のACCESSブースでは、3Dアバターが “接客”を行っていた。アバターには同社が扱うサムスン社製サイネージディスプレイ(30 〜40種類)の製品スペックシートがインプットされており、説明員としての役割を果たしていた。
駅においては、FrascoAIを使ったサイネージの実証実験を実施予定だ。この実験では近隣の施設情報や観光情報を提供、もちろんインバウンド向けに多言語対応する。AIはデータソースが日本語であっても、例えば質問が英語であれば、自動で翻訳して英語で返してくれる。AIなしで多言語対応しようとすると、データ自体を各言語で揃えなくてはならないが、AIならその必要がない。
そのため、導入コストを抑えることができ、地方の駅など人員が減っている場所にもおすすめだACCESS営業本部の矢口貴之氏は『サイネージで重要なのは、いかに鮮度の高いコンテンツを提供できるかだと思っています。通常ですとクリエイターにコンテンツ制作を依頼し、半年に一回更新といったことも少なくないと思います。それでは情報が劣化してしまいます。
例えば、アパレルショップであれば、カリスマ店員のような人がその日のコーディネートを撮影し、キャッチコピーなど簡単なテキストを加えてアップすれば、すぐにサイネージのコンテンツとして表示されます。
人の顔に文字が重ならないようにというところもAIが判断してくれますし、レイアウトもAIが見映え良く整え、縦型・横型・画角の異なるものなど設置されたディスプレイに合わせて表示してくれます』と話す。
AIサイネージと聞くと、難しくてハードルが高いと思う人もいるかもしれないが、実際はAIにサポートしてもらうことで、通常よりもサイネージの運用が楽
になる。むしろ、これまでサイネージ導入に消極的だった人にAIサイネージを使ってもらいたい。
〔取材・文 倉田大資〕
出典元:月刊Signs&Displays 2024年11月号
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