液晶とLEDの違いは?それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説
2024.09.03 | 案内・展示
ディスプレイの種類は、大きく分けて液晶(LCD)とLEDの2つがあります。文字や見た目が似ているので混同されがちですが、それぞれ構造や特徴が大きく異なるので注意しましょう。
今回は液晶とLEDの違いや、それぞれのメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。デジタルサイネージ選びで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
液晶(LCD)とLEDの大きな違いは発光原理
液晶(LCD)とLEDの大きな違いは発光原理にあります。ここでは、液晶とLEDそれぞれの発光原理について説明します。
電気刺激によって光の屈折角度が変わる「液晶(LCD)」
液晶(LCD)は、液晶分子の配向が変化し、それによって光の透過や遮断が制御されるという液晶の性質を利用したディスプレイのことです。バックライトの光が、ガラスに挟まれた偏光フィルター、カラーフィルター、液晶を通過し、色付きの光として出力される仕組みになっています。
この構造はピクセル(画素)と呼ばれ、ピクセルを複数集積することでディスプレイとしての機能が発揮されます。あらかじめ決められた一定のサイズのパネルを使って製造されるため、大量生産に向いているところが特徴です。
電気を流すと素子自体が発光する「LED」
LEDとはLight Emitting Diodeの略称で、直訳すると光る半導体という意味です。その名のとおり、電気を流すと素子自体が色付きの光を発する仕組みになっています。
LCDに比べるとシンプルな構造であることや、LEDの数を変えれば自由に画面を構成できるところが特徴です。
液晶ディスプレイ(LCD)のメリット・デメリット
液晶ディスプレイ(LCD)を導入した場合のメリットとデメリットについて説明します。
メリット:低価格で気軽に導入できる
LCDのメリットは、決められた規格に基づいて製造するぶん、低コストで量産できるところです。パソコンモニターなら約1万円~、液晶テレビでも約3万円~と低価格で購入できるため、導入までのハードルが低いと言えます。
また、比較的寿命も長いことから、年単位で考えた場合のコストパフォーマンスに優れている点もメリットの一つです。初めてデジタルサイネージを導入する場合や、限られた予算で複数のディスプレイを設置したい場合などにおすすめです。
デメリット:厚みや重さがある
LCDのデメリットは、ディスプレイに厚みと重量があることです。バックライト・液晶・カラーフィルターの三層構造になっている関係上、シンプルな構造をしているLEDよりもディスプレイに厚みが出やすく、設置時にややスペースを取ってしまうところがネックです。
また、多層構造になっているぶん、重量もあるので、動かすときに手間と時間が掛かりやすい傾向にあります。
ただ、バックライトのおかげで高輝度を実現しており、直射日光や照明の下でも画面が見やすいことを考えると、デメリットばかりとも言えないでしょう。
LEDディスプレイのメリット・デメリット
LEDディスプレイを導入する場合のメリットとデメリットについて説明します。
メリット:明るい場所でも使いやすい
LEDは素子自体が発光する仕組みになっているため、他のディスプレイよりも高輝度を実現できるところが特徴です。外光の明るい場所でもくっきりした映像を映し出すことができるため、屋外や窓際など、日光や照明が当たる場所にも設置できます。
実際、街頭ビジョンやスタジアム、デパートのショーウィンドウなど、さまざまな場所に採用されています。
デメリット:導入費用が高く、熱に弱い
LEDのデメリットは、LCDに比べて導入に掛かる費用が割高になりがちなところです。特にLEDは1ピクセル内に存在する赤・緑・青のLEDによって映像を表現するという構造上、解像度を高めるにはLEDの数を増やす必要があるため、映像美を追究するとますますコストが割高になります。
光熱費などのランニングコストは比較的低めですが、初期費用がかさむため、導入のハードルが高くなってしまうところが難点です。
また、LEDのもうひとつのデメリットとして挙げられるのは、高温に弱い点です。製品によって多少の差はあるものの、LEDの内部温度が80℃を超えると劣化スピードが速くなり、本来の耐用年数より寿命が縮みやすくなると言われています。
場合によっては、高温によってLEDの回路が破壊されることもあるため、ファンやエアコンで送風するなどの工夫が必要になります。特に近年の日本の夏は猛暑になるケースが多いため、熱に弱いというLEDの性質は大きな課題になるでしょう。
液晶(LCD)とLEDはそれぞれ仕組みやメリット・デメリットが異なる
液晶(LCD)とLEDはいずれもテレビやパソコンモニターなどの電気機器に用いられるディスプレイですが、それぞれ発光原理やメリット・デメリットに違いがあります。
液晶はバックライト、カラーフィルター、液晶の三層構造になっており、低価格で寿命も比較的長く、コストパフォーマンスに優れているところが特徴です。ただ、三層構造を採用しているぶん、薄型化や軽量化が難しいところがネックとなっています。
一方のLEDは素子自体が発光する構造になっており、高輝度で明るい場所でも使いやすいところが利点です。日光や照明が当たる場所にも設置できますが、熱に弱いため、夏場に屋外などで使用すると寿命が縮んだり、故障したりする原因になることがあります。
また、LEDはLCDに比べるとコストが高く、特に高解像度やサイズの大きいディスプレイが必要な場合は初期導入費がかなりかさんでしまうところがネックです。
このように、LCDとLEDはそれぞれにメリット・デメリットがあるので、利用シーンやニーズに合わせて適切なタイプを選ぶようにしましょう。
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